確かめながらつくるユーザー体験 #CookpadTechConf

先日、Cookpad TechConf2016という自社カンファレンスに登壇しました。150名以上の方の前で話すのは初めてでした。発表資料とともに、なぜこの話をしたのか、という背景をまとめておこうと思います。

なぜこの話をしたか

昨年5月からスタートアップに出向して、新規サービス立ち上げをやっていて苦労した点を、クックパッドのサービス開発のプラクティスに紐付けて話をしてみました。

出向して以降、社外の人 (業務委託など) と一緒に働く機会が多いのですが、サービス作りに対する考え方や目線の違いによる難しさをすごく感じます。目線が違うこと自体は仕方ない(0→1段階のスタートアップで「考え方が合う人だけと働きたい!」とか言ってられない)ので、違うものはすり合わせていく必要があります。

そこで改めて重要だと思ったのが、ステートメントを定めることです。

結局サービス開発って何をすることなんだ?ってのを考えると、「意思決定を細かく連続的にしていくこと」に尽きると思っています。 どんな体験を提供したいのか、どんな機能をつくるのか、文言はこれで伝わるのか、色はこれでいいのか…などを、正解がない状況下で、決めていく必要があります。

それを目線が違う人たちが、各々の判断でやると、作るべきものから当然ブレる。 デザインレビューのような仕組みによって、ブレを矯正することはできますが、それだけに頼るのは辛い(レビューが毎回大変)

ということで、ステートメントという判断基準を定めて、各々の判断のサポートをし、判断の質を底上げすることが大事なように思います。そして、そのステートメント自体も、あくまで初期仮説なので検証が必要ですよね、って話が今回の発表です。

サービス開発も技術

サービス開発の話をブログで書いたり、社外で話すのは毎回難しいなと感じます。サービスそのものの成功/失敗談は、文脈や状況次第なところが多く、再現性があまり無いからです。他所で聞いた話をそのまま適用しても、うまくいく感じがあんまりしない。なので、今回はなるべく再現性がありそうなプラクティスを話すようにしてみました。

「技術力」というと、コードを綺麗に素早く書く力を想像したり、OSSに貢献していることを想像したり、人によって様々だと思います。僕は、サービス開発の確度やスピードを上げることも、技術の一つだと思っています。

同時にサービス開発は、総合格闘技みたいなものだと思っています。ディレクションとかデザインとかエンジニアリングだとか分野を横断 (越境) して、再現性のあるプラクティスをどれだけ身に着けていくかが技術力をあげることに繋がると思っています。