2020年を振り返る

書きづらいこともあるが、誰も見てない場だし、オープンにできることは記録しておくことにする。

仕事

VIの運用と広報

2019年末に会社のVIを刷新し、2020年始はそれをプロダクトに反映する作業や、採用認知につなげるための広報に時間を使っていた。

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VI刷新自体は、パートナー会社にお任せできたが、VIの運用や広報は当然自分たちがボールを持つ。凄くありがたいことに、それらについてもパートナー会社のアートディレクターにレビューしていただくことができる体制だった。

自分はバックグラウンド的に、体験やUIなどサービスづくりに関する経験は積んできたが、ビジュアル的な素養は無い。そんな中で立場上、他の社内メンバーを導いていく必要がある。その道のプロから率直なレビューを受け取り、それを咀嚼し、社内のメンバーにどう伝えるのかをかなり悩んだ。

自分自身がレビューを受けて、それを自分で反映するだけなのであれば、めちゃくちゃ楽しい。例えば広報活動の一貫で作ったサイトは、自分でデザインも実装もしていたので、アートディレクターからのレビューを即返すことができる。年齢を重ねるに連れ、率直なレビューを貰える機会も少なくなったので、これは素直に楽しかった。

一連を通して、ディレクション力を改めて身につける必要があると感じた。最近はサービスづくりに求められる、当たり前品質は上がり続けている。エンジニアリングとUI/UXデザインの統合はやって当然であり、今後はイラスト・写真・編集・音といった多様なクリエイティブの統合も必要になってくると思う(グローバルなサービスはできている)

当然、それらは1人ではできないので、多様な専門家をまとめあげることになる。Web界隈では「ディレクション」を「制作進行」と捉えがちだが、それは表層にすぎない。エンジニアリングとデザイン・クリエイティブを高度に統合するために、「クリエイターを導く」という意味でのディレクション力、ようはアートディレクション力も、よりよいサービスづくりには必要になってくるなと痛感した。畑は違うが、少しづつ経験を積んでいきたい。

ビジネスも含めたサービスデザイン

本業において2020年一番の成功は、CTOを連れて来れたこと。採用だけでなく、オンボーディングにもかなり気を使った。彼の活躍によって、自分自身の時間の使い方は大きく変わった。去年は、エンジニアメンバーの採用やマネジメントにも時間を割いていたが、それらは完全に任せることができるようになった。今年はその分、ビジネスメンバーとの会話量が増えた。

詳細はいつか記事にしたいなと思うが、「期待値調整」という言葉を社内で言い続けていた。ハイタッチなSaaSビジネスは、期待値調整をプロダクト側で行うことが困難だと、ようやく気づいた。ユーザーがサービスに抱く「期待」を適切にマネジメントをするためには、セールスやカスタマーサクセスに入り込む必要がある。

パーセプションフローというフレームワークを導入しつつ、職種を横断して一貫した期待値マネジメントができるようなビジネスプロセスを作り、それを誰でも実践できるように仕組み化する (SFA・MAツールに組み込む) ということを推進できたのは、いい経験になった。

これまでも概念レベルでは社内で共有できていたが、それを誰もが実践できる状態に落とし込むところまではやれてなかった。というより、「言語化して方向性を示せば、周りは実践できるだろう」と暗に思い込んでいた。自分は言語化が比較的得意なぶん、それに甘んじていた。Ruby on Railsだって、DHHの思想を誰もが実践できるように具現化したフレームワークだ。「体験の一貫性」みたいなことを実現するなら、CXOがマンパワーで実現するだけでは不十分で、仕組みにする必要がある。

また、これまでの自分は「サービスデザイン」といいつつも、「ビジネスは得意な人が考えてくれよな」という甘えがどこかにあった。ビジネスサイドに強いメンバーが少ない、という社内の事情も相まって、この意識が変わったのは良かったと思う。

新サービスの立ち上げ

まだ表には出していないが、4月以降はずっとこの仕込みをしていた。サービスを立ち上げること自体は、大小合わせて6回目ぐらいかな。その中でも一番の難産であり、慎重にことを進めている。詳細は省くけど、この感想につきる。

書ける範囲でのチャレンジとしては、完全リモート環境でユーザー調査を進めたこと。これまでインタビューは対面のほうがいい派だったが、今回は被験者の募集から実施まで全てリモートでやった。ターゲットとの相性を考えて、タイミーを使って被験者を集め、ZoomやMiroを使いながら、ワーケーション中もインタビューをよくしていた。

コロナ禍の組織運営

コロナはもちろん大きな影響があった。採用サービスを飲食業界に提供していたこともあり、休止・解約が増えるのは避けられなかった。そしてオフィスの更新時期が重なっていたこともあり、春以降はリモートベースの働き方に移した。30人規模のオフィスを解約し5人規模オフィスにダウンサイズ。今後どうするかはわからないが、いまのところ全員が物理的に集まれる場は持っていない。

これらは世の流れであり向き合っていけばいいのだが、理由はどうあれスタートアップにおいて「事業が伸び悩む」という事象は、それに起因して多くの組織的な問題を生んでいく。結果としては、雨降って地が固まったが、雨が降ってる最中は大変だった。もともとストレス耐性は強いほうだと思うが、より鍛えられた。耐性がついたぶん、どこか正気ではなくなった気がする。

すべては期待値調整

サービスデザインだけでなく、採用やオンボーディング、評価や目標設定といった組織運営は、すべて「期待のマネージ」として捉えられるなと思った。人であれば採用時に期待値形成をミスすると、後工程 (例えば日々の1on1) になればなるほどでそれをリカバーする難易度は上がる。

組織運営においても、期待のマネジメントが誰でもできるような仕組みが必要であり、世に出回ってる手法 (例えば1on1) はその結果生まれたものなんだろうな。ということが身にしみてわかった。

サイドワーク

去年から引き続いて、水産スタートアップのプロダクト戦略づくりをお手伝いしていた。そのなかでキャラクターデザインのリサーチやディレクションをやらせていただけたのは、前述の課題感もあったのでいい経験になった。

趣味に近いプロジェクトとしては、前職時代の後輩たちと、物理的なプロダクトづくり (D2C) にもトライしている。仕事はBtoBで目に見えないモノばかり作っているので、「手触り感のあるモノづくり」への欲求がある。世に出すまでのハードルの高さを感じてるが、2021年は形にしたい。

あとは年末になって、仲の良いデザイナーと一緒にポッドキャストを始めた。気になるサービスやデザインについてゆるく話している。「ポッドキャストやろう」となって1週間で収録して、サイトも完成するスピード感がよかった。

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特にお金にしようとか、承認を得たいとかは無く、ただただ好きなことを話したいという気持ち。日常で人と合わなくなってから、アウトプットの機会も減ったので、アウトプットの障壁が限りなく低いポッドキャストは良い。そして音声メディアにはLikeもCommentも存在せず、「特定少数しか聞いていない」という状況は、自分にとっては心地がいい。

同じ理由で、このブログも今のところ はてなブログ で書いているが、自前でテキストサイトを作ろうかなと思っている。Twitterやnoteなど最近のサービスは、「誰かに見せている感」が強く、それがアウトプットの障壁を上げる。LikeやCommentが届かない世界線で、自分の思考の整理として、淡々とアウトプットしたい。思わぬ承認を得られると気持ちがいいが、それとはなんとなく距離をとりたい今日このごろ。逆に、主に仕事的な理由で、明確に「不特定多数に届けたい」という気持ちがあるときは、noteを使うことにしてる。話がそれた。

プライベート

ワーケーション

結果としては良いネタに昇華できたのでよかったが、引越しに失敗して一時ホームレスになった。家を捨ててキャリーバッグだけで日本を漂ってみると気持ちがスッキリした。

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DIY

シルバーウィーク中は部屋づくりのことばかり考えていた。プライベートでのDIY経験は、オフィス移転にも生きたので良かった。

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サウナ

めちゃくちゃハマった。

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コンテンツ

今年は誰もがそうだと思うが、ゲーム・動画・オンラインライブ・ラジオ・テレビに触れる時間が増えた。特に深夜ラジオを聞く機会が増えた。ハライチのターンや、オードリーのANNは毎週欠かさず聞いている。ポッドキャストをやりたくなったのも、ラジオの影響は大きい。

あとは知人のデザイナーたちとよくボイスチャットしながらゲームするようになった。楽しい。

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まとめ

正直、仕事もプライベートも、失敗や不調、不運ばかりの年だった。モルヒネを打ちながら、なんとか前を向くような1年だった。